2月15日(水) 5人で摩文仁南斜面を調査

「ひめゆりの塔」からの国道331号線を西に300メートルぐらい行くと、琉球漆器店あります。そこにこのような石標がありますから、発見できればしめたもの…。と思ったのですが、それが甘かった。かなり迷いまして行ったり来たり…。発見してしまえば「な～んだここにあったのか」という印象ですが、いずれにしても、地図が正しくないのでご注意を。

「沖縄陸軍病院之塔」です。昭和39年「沖縄陸軍病院戦没職員の碑」として建立され、平成6年「沖縄陸軍病院之塔」として再建されました。病院長広沢文吉軍医少将ほか軍人、軍属、医師、薬剤師、看護婦等４３名が祀られています。

これが陸軍病院本部壕です。開口部がとても大きくて偽装は出来なかったでしょうね。実際に艦砲砲弾の直撃を受け多くの人々が一瞬のうちに亡くなりました。沖縄戦当時もご覧のような壕に降りていくスロープがあったのかどうかは不明です。

20メートルぐらいスロープを降りた所で撮影しました。

40メートルぐらい前進したところで、開口部を撮影しました。壕の中にはひしめき合うように大勢の避難する人たちが居たのでしょうね。艦砲砲弾が撃ち込まれたら、如何ともしがたいという状況です。

壕の一番奥深いところを撮影しています。この時期は雨が少ないのか、溜まり水の面積が極端に少なくなっていますね。湖のように水面が大きい状態の時に見た事もあります。いずれにしても、ここは水には困らなかったかもしれません。

一升瓶が置いてありました。ペットボトルなんて便利な容器が無かった時代ですから、一升瓶は最も多用された容器だったでしょうね。

左側から平和学習ガイドの松永さん、岡幸さん、篠原先生です。皆さん遺骨収集の大ベテランさんですよ。今日もよろしくお願いします。

チンガー前の歩道部分からジャングルに入る事になりました。献花して御霊様にお祈りを申し上げます。無事に作業を遂行できますように。そしてご遺骨発見に繋がりますように…。

篠原先生と岡幸さんが作業をしているところです。

巨岩があちこちにあり、当時はかなりの人々が岩陰に避難していたかもしれません。

早くも篠原先生が「遺骨がある」と伝えに来ましたから、一緒に掘ってみることにしました。

黒く炭化ぎみとなっていますが間違いなくご遺骨ですね。細かいご遺骨ですけど、沢山ありそうですから、金光教の遺骨収集奉仕活動でこの場を収集して頂こうという話になりました。

さあクイズですよ。写真の中にご遺骨一片が映し出されています。どこにあるでしょうか。？

はい、これがご遺骨です。5㎝ぐらいの大きさですが、足首周りの骨ですね。色合いからして周囲の雰囲気に溶け込んでいますから、案外見つけられないものですね。だって戦後67年、この岩の表面に置いたままだったのに誰も見つけられなかったのですからね。

この中が怪しいと言うことで、私が頭から入って中を調べてみました。

ご遺骨発見！。肋骨が一本ありました。また軍靴の靴底と思われる物も見えますね。

弁当箱のふたのような物も見えますね。

写真中央付近、蝶のオオゴマダラが写っています。ちょっと解りにくいですね～。

「南冥之塔」へ至る案内をしている石標です。ハイビスカスの花を一輪供えました。

昼食は「南冥之塔」前の広場で頂きました。午後の作業開始時ご祈念をさせて頂きました。

吉井さんです。お疲れ様です。吉井さんも本当に熱心な方ですね～。

瀬戸物のお茶碗かお皿が見えます。民間の人が居たと言うことでしょうね。

艦砲砲弾の破片でしょうか。分厚い鉄片ですね。骨片も一個見えますね。

結構急な斜面もあったりしますね。

つる性植物が地面を覆っていたりします。こうした場所は見つけるのが本当に困難です。

この壁面は沖縄戦当時そのままかもです。よく見ると弾痕のようなものが無数にあります。落石の恐れがあるとして通行禁止になっていた「黎明之塔」と「健児之塔」間の通行ルートが何年かぶりに開通していました。開通して本当に良かったと思います。このルートが通行不能だと「健児之塔」参拝客が相当数減ると思われたからです。この写真は歩行ルートを撮影したのです。

こんなに立派な歩道に生まれ変わりました。この歩道がもうけられているルートは、沖縄戦当時も司令部と海岸一帯に潜む陣地との連絡に使用した可能性が高いです。他のルートは崖が急峻でとても行き来できませんから。

摩文仁の司令部壕入口も綺麗に整備されました。良かったです。以前はここに来ると何か怖いような印象が…。

司令部壕入口です。鉄柵か石標はそのままですね。ちなみに司令部壕入口は摩文仁裏手にもう一カ所あります。トイレに使っていたという所も、開口部だとすれば更にもう一カ所あります。第32軍司令官牛島満中将と参謀長の長勇中将は、この司令部壕内部で割腹自殺したとされていますが、割腹自殺した場所については諸説ありますね。

「黎明之塔」に至るアプローチですが、ずいぶんと綺麗に整備されましたね。

「勇魂之碑」です。

第32軍司令部戦没者名簿です。

「牛島軍司令官長参謀長両将軍之墓跡」です。ここが沖縄戦写真集などでも有名な、両将軍を埋葬した場所でしょうかね。このお墓は相当昔からありますね。40年ぐらい前に来たときにもあったような記憶があります。

「黎明之塔」です。第32軍司令官牛島満中将と参謀長の長勇中将の二人を祀っています。塔が立っている場所は、摩文仁で最も高い場所にあり、正式には摩文仁岳と呼び、標高は89メートルあるそうです。

「黎明之塔」の碑文です。読めますね。

摩文仁岳山上から東側を見ています。

摩文仁岳山上から西側を見ています。私たちが本日調査した範囲もこの中にあります。

この写真は本日撮影したものです。上の写真を少しズームしました。

沖縄戦終戦直後に撮影されたものです。

国立戦没者墓苑前が工事中でしたが、こんなにきちんと整備されました。トイレも新設ですね。

「島守之塔」です。この裏手のＶ字谷で国吉さんらのグループが遺骨収集を実施したという事で、その収集現場跡を見に行きました。この階段を登るとすぐにＶ字谷となります。

ここがＶ字谷です。私たちはもう何度もここを通っています。

このあたりが国吉さんグループが遺骨収集した場所みたいです。相当な土石を移動せねばならず、作業は本当に困難だったと思えます。本当にお疲れ様です。