遺骨収集の服装・装備

沖縄本島南端部にある摩文仁一帯の亜熱帯樹林が繁茂し、また巨岩が連なるなど見ただけで地形がとても険しいジャングルに入り遺骨収集を実施しようとする方々の為に、このコーナーでは服装と装備を準備購入する際の重要ポイントを解説させて頂きます。

例えば、近年中高年の登山ブームだとか言われて久しいですが、登山者の増加に伴い、滑落や死亡事故が増えているとの情報もあります。お住まいから近場の低山でのハイキングであっても、また本格的な信州のアルプス縦走にしても、楽しい思い出と共に無事に登山を終えるためには、それなりの登山の知識の取得、登攀ルートの把握と共に、忘れてならないのが、ハイキングや登山をするに際しての、服装と装備をどのように整えるかという点がとても大切ですよね。

予定している山行に耐えうる服装・装備をしっかりと整えたか否かが、安全をも左右すると言っても過言ではありません。早春と晩秋に登山事故が多いのも、服装・装備の選択に錯誤があったという点が良く指摘されますが、遺骨収集奉仕活動でも同じように、服装と装備が第一義的に安全と無事故を確保する上でとても大切な要因となっているのです。

遺骨収集奉仕活動での服装は、基本的に春や秋の時節における登山の服装をイメージしていただければ良いかと思いますが、若干の相違もあるという点にご注意願います。一般的な登山やハイキングでは、"すでにある道に沿って" 移動すれば登頂を果たすことが出来ますが、遺骨収集では逆に、"すでにある道を避けて" 移動するわけですから、登山よりも確実に危険リスクが増すと言えますので、より十分に服装・装備に気を配り、しっかりと整える事が大切であるとご理解頂けるものと思います。

また登山やハイキングにおける服装・装備は、徒歩による山行を安全にそして快適にする事を最優先に準備されますが、遺骨収集における服装・装備では、勿論安全や快適さも考慮した上で、更にもっと優先すべき準備目的があると言えるでしょう。

それは次の二点に集約されます。
1,遺骨を見つけるための「集中力」を高めるために服装・装備を調える。
2,限られた時間における収骨作業能率を高めるために服装・装備を調える。

これから遺骨収集での準備すべき服装・装備品のアドバイスを書かせて頂きますが、もしもあなたが初参加なら、最初から万全の服装・装備を調えるのは無理ですからね。断定的で申し訳ありませんが、これは事の性質上やむを得ない事なのです。

つまり何度も遺骨収集の経験を積み、そのなかで「痛い思いをし、困った事態に遭遇し、何とかしなければと思案し……」、そうした困難に直面するなど立ちはだかるハードルと真摯に向き合うことにより、諸問題を解決するための改良・改善点が逐次見えてくるのであり、体験を重ねるというプロセスを経る事により、便利であったり使用感が快適な、つまり移動や作業等を効率化させ、無駄を排除した機能的な服装・装備を調えることが可能となるのです。(^o^)

もしもあなたが遺骨収集奉仕活動をライフワークとして、これから何年も続けたいとお考えであるなら、服装・装備を改善していくプロセスで最も大切な点は、 「遺骨収集から帰ったら、すぐに今回における服装・装備の問題点を洗い出し、改善すべき点を列挙し、来年 (次回) に向けての準備をただちに開始する」 という事ですよ。

「今回履いた靴は、雨の時はとても滑りやすく危険を感じた」
「汗をかいたが着替えの下着を持参せず、午後はとても寒い思いをした」
「安い手袋で作業したら、すぐに穴が開いてしまい手が痛かった」
「重かったのに、結局リュックサックに一度も使用しない物品が沢山入っていた」 等々。

このような実際行動の中でしか知り得ない "微妙な問題" というものは、体験により改良・改善していくより方法がないと思われます。重ねる体験の中で、常に問題意識を持って取り組めば、必ずや問題は解決され、服装・装備はもちろんのこと、実際行動をもプロフェッショナルなものへと成長していくのです。

たいへん前置きが長くなってしまいましたが、それでは私が推奨する、遺骨収集での服装・装備品リストをご紹介致します。

お断りしておきますが、今から列挙する服装・装備品は、私が実際に装着したり持ち歩く服装・装備品です。私はどちらかというと、偏執狂的なこだわりがあるものですから、通常は持参しなくとも良いものまで持っていると告白せねばなりません。それと私は単独でジャングル内に入りますので、安全対策上あらゆる事態を想定し、降りかかる諸問題を回避し得る装備にしておかなければならないという事情もあります。

また、例えば二日間遺骨収集を実施する場合、遺骨を探し、収集作業に使うことの出来る時間数は、探索場所への移動も含めて、トータルでおよそ10時間から11時間程度です。このように時間的に本当に限られた状況の中で、数が少なくなった御遺骨を見つけ出し、収集作業においても、いかに作業能率をアップさせるかをいつの時も思案し、試行錯誤の末にたどりついた結果の服装・装備でもあるのです。アッそれから、私は性格的にも荒っぽい面があり、ジャングル内の藪を見るとなぜか興奮して、突進するタイプなんですよ。前世はイノシシだったかもしれない…。(笑)

結果として服装・装備も、数日間にわたる、その突撃に耐え得るレベルのものが要求されますので、私の場合は服装・装備も、より頑健なものを準備して臨むという事態にもなっています。ですから、高齢者やご婦人方で、あまりハードな動き、あるいはあまりハードな場には立ち入らないという場合は、私の場合よりも服装・装備の選択肢は広くなりますし、軽快であるように、動きやすさや使いやすさを優先し、そして必要最小限のものを持って、ジャングルに入れば良いわけですからね。その点を含み置き下さいますよう御願い致します。

その点を混同されてしまい、高齢者やご婦人方まで、私が身につける重装備な服装・装備品を調えてしまう事になってしまったら、大変ご迷惑をお掛けすることになりますので、ここでご紹介する服装・装備品リストでは、遺骨収集奉仕活動で、一般的に持参する事が推奨されている服装・装備品については、リストに (必須) の表示してありますので、その必須マークがあるものについては、高齢者やご婦人方も含めて、すべての参加者が必ずご準備されますようにお願い致します。

(必須) マークが無い服装・装備品につきましては、私のような “猪突猛進” タイプでジャングル内を縦横にそしてハードに活動する場合に、あれば便利だというものをご紹介していると捉えて頂き、ご自身で判断されて、持って行くかどうかを決めて下さいませ。

服装・装備品の購入先は、一般的にはホームセンターとか、家電量販店、登山用品の販売店などとなるでしょうが、サイト管理人はこだわりの逸品を求めている関係で、他には「東急ハンズ」さん、職人さんの作業着・道具類を販売している「ワークマン」さん、そして釣り道具の量販店である「上州屋」さんにも良く出向きます。釣り道具の「上州屋」さんとは意外に感ずる方も多いと思いますが、アウトドアという共通点でしょうかね、数点ですがこのお店から購入した服装・装備品を装着しています。

服装・装備品のレベルアップ、例えば作業性&作業能率の向上・コンパクト化&軽量化・安全性の向上・紛失防止措置等を目指す方は、服装・装備品の問題点の把握←→服装・装備品の販売店を巡回 を繰り返す事を推奨します。お店では商品の入れ替え、新商品の展示等年間を通して少なからず陳列商品が変化していきますからね。陳列されている商品を前に、「オッ これ使えるかも」と、思い描いていたイメージにぴったりの商品に出会ったりする事もごくたまにですがあるのです。(^o^)

あっそれから、これらの服装・装備品は重くかさばりますが、必ずしもすべて自宅から持参する必要はないと思われます。種類によっては沖縄入りしてから調達するのでも、いっこうに差し支えありませんよ。沖縄でも手に入れられるお店はたくさんありますからね。

「服装・装備品リスト」作成を推奨
A4やB5サイズの用紙に、「服装・装備品リスト」のタイトルで、準備すべき服装・装備品を一覧リストにして書いておき、準備できたものは赤いペンで×印をつけるとかすれば、準備状況が一目でわかりますし、現地に到着してから「アッ ○○を忘れた」などという失態を防げます。また、毎年遺骨収集に参加されている方は、遺骨収集から帰ったら、すぐに現地での作業時における服装・装備の使い勝手について反省しかつ検証して、服装・装備品リストの見直しをすることをお勧めします。私は30年以上遺骨収集を続けていますが、これだけ長く遺骨収集奉仕活動を続けていても、毎年必ず服装・装備品リストの微調整をするに至っています。

それから大切な事柄をもう一つ、遺骨収集から帰ったらもう終わり…。ではなく例え服装・装備品リストの修正が無いと思えても、一度はリストを見渡して点検することをお勧めします。「このままで良し」と思えたなら、それはそれでそのまま次回に繋げられますからね。

服装・装備品リスト

服装・装備品の詳細説明

ヘルメット(必須)

ヘルメットを被らずにジャングルに入り、遺骨収集作業をするのは、安全対策上絶対に避けなければなりません。遺骨収集ではヘルメット着用が必須とお考え下さい。しかしながら、ヘルメットの難点は、内部がひどく蒸れることにあります。その点に留意するなら、ご自分で準備する場合において、商品によってはヘルメット横に小さな穴がたくさん開いているのがありますので、そうした通気を考慮したヘルメットであれば、被った際の内部の蒸れが若干は緩和されるかもしれません。いずれにしても暑い日は、相当の汗を覚悟せねばなりませんから、ヘルメットに慣れないと、不快さは相当なものになりますが、遺骨収集につきものと割り切って我慢して下さいませ。

日常的にヘルメットを被る習慣のない私達には、被ると暑苦しいばかりですが、沖縄の石灰岩と格闘して勝てる人は居ません。動き回らないから大丈夫と思うのでしょうか、収骨作業時などで、ヘルメットを外して作業している方を時折見かけますが、私たちの目は、頭上や後ろを見る事ができないのです。後で後悔することの無いように、安全第一を心がけ、必ずヘルメットを被って、移動したり収骨作業をするようにしましょう。
※休憩時を除き、必ずヘルメットを被るという習慣をつけましょう。(^o^)

帽 子

ヘルメットを被ると蒸れて汗が流れ落ちますので、ヘルメット内の汗を吸い取る事を目的とした特殊な帽子という意味でこの項目を設けました。ヘルメットを被った際の発汗による不快さを幾分か緩和してくれると思われます。市販品の名称は、「ヘルインナー」とか「汗取り帽子」とかで販売されています。

機能としては、ヘルメット内の汗を吸い取り若干ではあっても不快さを緩和するのは間違いありませんし、ヘルメットを岩に強くぶつけても、頭への衝撃を若干弱くしてくれる効果が期待できます。もちろん「ヘルインナー」とかでとかではなく、普通のつば付き帽子を被ることは、いっこうに差し支えありません。実際に多くの参加者がヘルメットの下につば付き帽子を被っています。

作業服(上下)(必須)

理想は厚手の生地でできている、建設現場や各種工場で着用する作業着ですよ。ジャージ等の生地は避けた方が無難です。なぜならジャングル内はバラに似たトゲのある蔓植物も多くて、ジャージのような服装だと、一度蔓に絡まるとクモの巣に絡め取られた昆虫のようにもがき、脱出が容易ではありませんよ。(笑)

また作業服はポケットが多いので、小物を入れておくのにも重宝しますし、何より速やかに物の出し入れできますから、それだけ作業効率をアップできるという訳ですね。遺骨収集作業において、軽快に歩行できるかどうか、また能率良く収骨作業を遂行できるかどうかは、作業服により大きく影響を受けると言っても過言ではありません。ご自身の体験による失敗を重ねる事により、改善を重ねて、より良い作業服を見いだして下さいませ。

高齢者やご婦人方の場合は、あまりハードな動きはしないでしょうから、選択肢の幅は広がります。 日頃着慣れている服装のほうが、扱いやすかったり、動きやすかったりするかもしれませんね。ですから無理して遺骨収集活動の為に新調するのでなく、日頃の着慣れた服装も選択肢に入れて、ご自身でよく判断してご準備して下さいませ。

作業用靴下(必須)

トゲのある植物を引っ掛けたり、岩にぶつけたりと、膝から下はズボンを履いていても、結構肌に傷をつけますからね。そうした点に着目すると、靴下は厚地で(滑るようではだめですが)、膝下まで装着できる長い靴下だと、膝から下の損傷を防げる可能性が高まりますのでお勧めです。登山と同じように、ケガを回避する為にも足回りはとても大切ですよ。後述しますが、「脚絆」 を装着する事により、足回りの保護の効果が期待できます。

作業靴(必須)

理想的には登山靴がベスト。足首を固定し捻挫を防ぐ効果が期待できますし、雨の日は靴底の強いグリップ力が、スリップして転倒するリスクを大幅に軽減してくれますよ。一方ぬかるんだ壕内での作業時などでは、断然ゴム長靴が便利ですから、そのような壕などの特殊な環境での長時間作業が予定されている場合は、ゴム長靴の準備をする必要がありますが、通常の遺骨収集では、基本的に足首をカバーしうる登山靴がお勧めです。

二番目に推奨したいのは、建設現場で多用される「安全靴」ですね。この安全靴は、指先辺りに鉄板が入っているのが特徴です。足先に大きな岩が落ちてきても、安心していられます。また編み上げとなっており、靴に高さがありますから、足首よりも上の部分をしっかりガードしてくれますよね。ですから安全靴は文字通り、足回りがとても安全になりますよ。(笑)

アッそれから、当日新品の靴を履くなんてのは駄目ですよ!。事前にキチンと履き慣らし足合わせを済ませておいて下さいね。新品の靴を履き、時間の経過と共に足が痛くなって来て、ジャングル内を一歩一歩痛い思いをしながら歩くことにでもなったりしたら、せっかくの遺骨収集奉仕活動が台無しになりますよ。実は私も経験あり~。(^^ゞ

汎用性のないプライベートの話になってしまいますが、ちなみに私が愛用している靴とても特殊で、なんと磯釣りに使われる靴なんですね~。海岸の岩場でも滑らないように、靴底に沢山の金属製のスパイクが埋め込まれているんです。ですから靴は釣り具販売店の上州屋さんで購入しました。遺骨収集を始めた初期の頃、ジャングル内を歩いていると、普通の靴では雨が降らなくともとても滑りやすいと感じましたので、滑らない靴はないかと探し回っていたあげくの、磯釣り靴との出会いは、それはもう涙無しには語れません。(笑)

冗談はともかく、この磯釣り靴に出会った際は、涙が出るほど感激したのは事実です。基本的にゴム製ですが、登山靴とは違う地下足袋形式となっているので、建設現場で身軽に動き回るトビ職人さんになったような心境となり、ジャングルの中を身軽に動き回る事が可能となったのです。

しかしながら磯釣り靴には欠点もありまして、石を誤って靴の上に落としたりすると、石灰岩は角張っていますから、それはもう何とも言えないほど痛いんですよね~~。生地が薄い布地にゴムで被覆してあるだけですから、登山靴と比べて生地がとても薄いですからね~。磯釣り靴を遺骨収集に使おうというのですから、私が悪いわけですが、何とかこの問題を解決しようと思案し続けまして、ある年にラバー生地の保温も兼ねていると思われる靴下を、職人さんの作業着等を販売しているお店ワークマンさんで見つけました。このラバー生地の靴下を履いてから磯釣り靴を履くと、あ~ら不思議、石を靴に落としても、ハイキング向けの軽装登山靴と変わらないレベルに傷みが緩和するではありませんか。ここに至って、磯釣り靴が遺骨収集でも実用的に使えるようになったという経緯がこれまでにありました。以降磯釣り靴を履いての遺骨収集が現在まで続いているのです。

雨合羽(必須)

雨合羽は上下が別になっているのが理想です。遺骨収集では道無き道を進みますから、ジャングル内植物の枝葉に付着した水滴により体全体が濡れますので、ポンチョのような雨具は避けた方が無難です。また移動中・作業中にリュックサックから荷物の出し入れするというような事も必要になって来ますから、リュックサックは独立してリュックサック専用雨具を装着するのがベストです。この商品は登山用品のお店には必ず置いてありますよ。

冬の季節の沖縄では、長時間雨が降り続くというのは希です。雨が降り出しても比較的短時間で雨が上がることが多いですね。雨が降っている時間の長さにもよりますが、ジャングル内の木や植物の種類によっては、かなり損傷が激しくなる場合があるので、使い捨てという事態も想定し、容易に買い換えの決断がつけられる、比較的安価な商品がお勧めです。

もちろん値段の高い、登山で使用するような多機能な雨合羽であれば、発汗性能が高く相対的に快適ですが、ジャングルから出たときに、今度は冷や汗が出ますよ。雨の日はジャングル内がとても暗くなりますので、例えは女性なら赤色やピンク色、男性なら黄色等目立つ色がお勧めです。グリーン色は最悪ではないでしょうか。
※ジャングルの中で目立つ色合いの雨合羽にするのは、もちろん自分のためですが、他のメンバーのためでもありますよね。(^o^)

手 袋(必須)

理想は厚めの革製の手袋です。少しばかり硬くて扱いにくいのですが…。同じ革製でも厚い皮の手袋から薄い皮の比較的柔らかい手袋まで、かなり多種類の手袋がありますが、建設現場で使用するような厚めの革製がお勧めです。革製は植物のトゲを通しませんし、岩場が多くグリップ力が求められる場面でもしっかり期待に応えてくれます。

それから革手袋は土をガンガン掘ったりする事も大活躍してくれますよ。つまり収骨作業などでは、大量の土を移動することも多いですが、厚めの革手袋なら、グングンと土を手作業で移動することが可能です。つまり革手袋は小さなスコップの役割もしてくれるという訳ですね。(^o^)

革製品の手袋を一番に推奨するのは、過去に次のような事例があったからです。軍手で作業していた人が、一生懸命夢中になって作業していたのでしょうが、ノコギリで木を切っている最中に、滑って自分の指先も切ってしまいました~。痛かったようですよ。木を切る前にはクワズイモを数多く切ったと本人が語っていましたが、指先から血が出ると共に、時間が経過するにつれて、切った部分の周囲がひどく腫れてきて、手全体がしびれたようになってしまったのです。ノコギリの歯に、クワズイモの樹液が残っていたのでしょう、その樹液が切り傷部分から皮膚の中に入ってしまい炎症を起こしてしまったようなのです。

このようなケガの事例の場合でも、軍手ではなく、しっかりとした革手袋をしていれば、ノコギリの刃が手袋に当たったにしても、肌までは到達しなかったかもしれませんし、クワズイモの毒が傷ついた皮膚から浸入するという事態も防げたかもしれません。という訳で、より安全に遺骨収集作業を遂行するためにも、安易に軍手などで済ますのではなく、革製品の厚手の手袋を最優先で推奨するという訳なんですね。(^o^)

革製手袋は雨などで濡れると固くなってしまい、変形しやすくなるので、作業終了後しっかり水分を除去して、形を整えてくださいね。革製手袋を長年にわたって使い続けるには、事後の手入れがとても大切ですよ。

いずれにしても、遺骨収集の最初から最後まで、最も身近にあると言える手袋なのですから、軍手などの安物で済まそうとせず、手袋にはしっかりとこだわりたいですよ。勿論手袋一つで作業の能率にも大いに影響してきますからね。

また作業を効率よく遂行する上で、手袋のグリップ力も大切です。グリップ力といえば、ゴム被覆系の手袋がお勧めです。ゴム被覆系の手袋は、価格も手ごろで良い商品が沢山出回っていますので、ホームセンターに行ってみてください。驚くほどいろんな種類がありますからね。ぜひ多くの商品の中から、自分に合った手袋を見いだして下さいませ。

また手首は擦り傷・切り傷が発生しやすい部位でもあります。なるたけ手首をもカバーする手袋がお勧めです。つまり長袖の先と手袋の生地がなるたけ幅広く重なる方が、手首周りの切り傷擦り傷を防ぐ手立てとなりますね。その分だけ痛い思いをしなくて済むのは勿論です。

防塵マスク

洞窟内の作業では、土ぼこりが舞うケースが多く喉を痛めてしまうという点に注意する必要があります。理想的には、壕に入る場合は、常にマスクするという習慣にするのがベストです。その為にもマスクはリュックサックなどに入れておくのではなく、出し入れしやすい作業服に入れておくのが良いです。作業服にはポケットが沢山あるので、マスクを収納するには便利ですね。

地面が乾いていると感ずる洞窟内では、ライトの光では見えなくとも、相当に土ぼこりが舞っている可能性がありますよ。ライトの光の方向によっては、驚くほどホコリが舞っているのを目撃する場合がありますからね。実際の作業でも、咳をしながら作業している人が時折いらっしゃいますが、なるたけ避けるべきです。いずれにしても地面が乾いていると感ずる洞窟で長時間作業する場合は、面倒でもできるだけマスクを着用しましょう。

吊バンド

腰ベルトに装備をたくさん装着して携帯すると、作業効率を格段にアップさせる事が可能となりますが、腰への負担が増しますので、荷重を方にも負担させ、腰の負担を軽減してくれる吊りバンドの使用をお勧めしますよ。細いバンドやゴム製のものは、見た目はよいのですが、汗によりすぐにビョ~~ンと伸びてしまい、吊りバンドなのに "吊らなく" なりますので要注意です。ですから素材を見極めて選択・購入することが大切ですよ。私は建築職人さんが使用する吊バンドを使用しています。

脚 絆(きゃはん)

脚絆(きゃはん)とかゲートルと言っても解らない方が多いと思いますが、足首周りを外傷から防護する固い布です。ここまで書いても、まだイメージ出来ないかも知れませんね。遺骨収集奉仕活動では、足回りをキッチリ装備することにより、はじめて探索&収集作業に集中できるというものです。ですから皆様にもぜひ脚絆の装着を推奨します。

私の場合、膝から下の肌は厚手の作業服・靴下・脚絆と、三重に防護されており、結果として足回りの外傷を高い確率で防ぐ事が可能です。ジャングル行において、下半身に気持ちを取られないので、結果として意識の多くを探索&作業に集中させることが出来るのです。この差はあまりに大きいと言えるでしょう。

膝当て

膝当てはイメージ出来ますよね。バレーボールの選手が膝に当てているのと同じやつです。遺骨収集では、作業時にこれを装着すると、膝をついても痛くないので重宝します。すなわち収骨作業においては格段に能率をアップしてくれますね。私に言わせれば必須の装備と言えるのですが、現実には装着している人をあまり見かけません。遺骨収集を終え帰宅してから、風呂に入ろうとしたら、膝に切り傷や擦り傷がたくさんあった方、来年は膝当てサポーターをぜひ持参する事をお勧めしますよ。

膝当ては単に膝の保護というだけでなく、装着すると地面に膝をついて作業する時に、膝が痛くないですから、作業に集中できますし、何より膝つき姿勢だと視界が狭くなり、結果としてご遺骨発見の可能性が高まります。このようにメリットは数多くありますので、皆様もぜひ膝当てを装着することを推奨いたします。

リュックサック(必須)

リュックサックの容量は大きすぎず小さすぎずですね。初参加では適正容量のリュックサックを準備するのは難しいですが、体験を重ねることにより適正な容量のリュッサックを見つけて下さいませ。登山と同じで余計なものを持たないようにすれば容量を減じられますが、最初のうちは無理ですね。リュックの外側にポケットがたくさんあるとなお便利です。またリュックサックも目立つ色がお勧めです。

遺骨収集奉仕活動の経験が浅い方は、あれこれとリュックサックに詰め込もうとするかもしれませんが、リュックが重くなるとそれに比例するかのように体力の消耗が早まります。体力が低下し疲れを自覚するレベルになると、探索作業に気持ちを集中するのもままならなくなりますね、結果として御遺骨を発見する可能性もまた低下してしまいがちです。ですからこうした事態は可能な限り避けなければなりません。

疲労感が顕現する前に、甘いお菓子やチョコレートを食べるのも、ひとつの疲労防止策として推奨しますが、いずれにしても初心者の方や体力に自信のない方は、リュックサックの中身は、可能な限り厳選して必要最小限の荷物にし、リュックサックを軽量化する事をお勧めしますよ。この装備品一覧リストを見れば、そんな心配は不要かな~~。 自画自賛だったりして。(^^ゞ

※滑落時リュックサックを装着していれば、脊椎の損傷を軽減してくれる可能性があります。休憩時以外は常にリュックサックを背負う習慣をつけましょう。

クマデ(必須)

遺骨収集=クマデ+懐中電灯と言えるぐらい、クマデはとても大切な道具ですし、遺骨収集における作業道具としては最も使用頻度の高い道具と言えるでしょう。ですからクマデにはぜひこだわりたいですよ。遺骨収集を長年続けようとする人は、商品の選び方や使い方について、一冊の本が書けるぐらいのこだわりを持つべきです。ちょっとオーバーかな。勿論ですが、私は「マイ クマデ」を持っていますよ。(笑)

「マイ クマデ」を購入する際の最も大切なポイントは、爪先で頻繁にガツンガツンと強く岩場に当てたりしますから、まずは その衝撃に耐え得る刃先が丈夫なもの を最優先で選んで下さい。それには金物の溶接部分をしっかり確認し、溶接部分が貧弱で小さく、そして甘く作ってあるのは避けるようにして下さい。

また爪先の角度もとても大切です。爪先を土砂に打ち込み、そして引く事により土砂を手前側に移動させるのが目的のクマデですが、遺骨収集では、小岩を手前に移動させるというのにも多用するので、爪先の角度が甘のは使用に耐えません。こうした角度の甘いクマデは、土砂さえも十分に移動できません。製造メーカーを非難するつもりはありませんが、「何これ」というような商品も実際あります。

ただ製造メーカーを擁護する意味では、この爪先角度の問題の傾向は、小型のクマデに多い事から、これは恐らく潮干狩りのような微力での作業を想定しているのかもしれません。潮干狩りと遺骨収集とでは力の入れ具合やクマデの移動方向・角度はまるで違いますからね。更に言えば遺骨収集作業用に専用のクマデが市販されているというのはあり得ません、他の用途に販売されているものを遺骨収集に転用する訳ですから、万全という訳にはいかないと思います。いずれにしても商品を購入する際は、爪先の角度にも十分注意を払って購入して下さいませ。

二番目には、爪の金属部と柄との接続が賢固なもの ですかね。金物部分と柄とかが容易に分離してしまう商品もありますからね。私も遺骨収集を始めた最初の頃、あまりに簡単に壊れてしまった商品を使った事があり、酷い目に遭いましたからね。こうした点からも、手痛い失敗の経験を積むというのは、どの分野でも大切な事ですね。話が少し逸れてしまいましたが、その上で、手に持つ柄の部分が長いか短いか で商品を選ぶというのを推奨します。

「刃先が丈夫なもの」 というのは、誰でも納得ですが、柄の長さについては、実際に使ってみると、確実に意見が割れると思います。その辺の商品を見極める状況を説明させて頂きます。まず柄が短いクマデの場合のメリットとして、土や岩をガリガリ掻く作業する際の力が少なくて済むという点が上げられます。従って腕力の弱い高齢者やご婦人方でも、比較的容易にガリガリと岩場を掻く事が出来るはずです。デメリットとしては、柄が短いので、腰を深く曲げないと地面をガリガリ出来ません。

一方柄が長いクマデの場合のメリットとしては、土や岩をガリガリ作業する際に、相対的に腰の曲げ角度が少なくて済むというメリットがあるのです。こちらのデメリットとしては、地面をガリガリする場合により腕力を必要とします。腕力の弱い人は、土石をガリガリやっても、土石をあまり動かせないかもしれません。

クマデにおける、この柄が短い場合のメリットをとるか、柄が長い場合のメリットをとるかは、腕力に関わる事でもありますし、疲労感との兼ね合いもありますから、判断が割れるのは確実と言ったところですが、これは皆さんがそれぞれに実際にクマデを動かしてみて、ご自身で判断する以外にありません。

私の経験を言わせて頂くとすれば、遺骨収集奉仕活動では、数えたことはありませんが、一日数百回腰を曲げてガリガリとクマデを動かすことになるはずです。ですからこの腰の曲げ角度が深くなると、やはり辛いものがありますよね。高齢の人ほど大変な作業になってしまいますよね。私はどちらのクマデを使っているかと言いますと、私は柄の長いクマデを使っています。つまり腕力に頑張ってもらい、腰の負担は少なく済むようにしているのです。

また、かつては地表に露出しているご遺骨も多かったので、目視によりご遺骨を発見する機会も多々ありましたが、地表に露出した御遺骨が収骨され或いは腐植消滅する方向にある今、これからの遺骨収集を考えますと、地表を目で見て探すと言うよりも、掘って探すという形態に益々移行していきます。ですからこれからの遺骨収集では、どちらかと言うと柄が長い方のクマデを推奨したいです。柄が長いと両手で握ってグイグイとクマデを動かしながら作業できます。これは左右の手が離れているほど力が入りやすい事からも特筆されるべきメリットです。また両手を使うと腰が入るので筋力パワーも長く持続でき能率が上がります。そして柄が長いと、先端の金属が重たければ重たいほど、遠心力でクマデを振り下ろすことが可能となります。

という事で繰り返しとなりますが、これから遺骨収集に参加しようとする方は、長い柄のタイプのクマデが絶対にお勧めですよ。長い柄の方が相対的にジャングルで紛失するリスクも低くなる思われますからね。

沖縄遺骨収集の第一人者である地元沖縄在住のKさんは、クマデは柄の長いもの短いもの、二種類携帯しています。Kさんの場合は、立位でウロウロしながら遺骨を探すときは柄の短いクマデを用い、腰を落として大量の土石を掘ったり移動させたりする作業の時になったら、柄の長いクマデを用いて作業能率を高めると語っています。勿論Kさんの考え方は一つの意見として聞いて下さいませ。クマデの柄の長さに関する見解は、持てる筋力も関わる事柄であり安易にこうだと断定できませんからね。

蛇足ですが、クマデが使いやすいかどうかという話が出ましたので書きますが、クマデを使用する場合は、登り斜面での使用を推奨します。これは下り斜面で使用した場合を考えれば明らかな話であり、改めて説明するまでもありませんが、時折下り斜面でクマデを多用している方がいらっしゃるので注意喚起するという意味で書かせていただきました。クマデを振るときは、可能な限り水平方向か、もしくは登り斜面で使用した方が、腰をかがめる度合いも少なくて済みますし、結果として疲れが緩和されますからお勧めです。

また本当に気に入ったクマデが見つかったら、数本まとめ買いをしておくことをお勧めします。なぜならホームセンター等で販売しているクマデは、思いのほか商品の入れ替わりが激しいですよ。いつ行ってもあると思ったら大間違い。但しこのようなクマデの買いだめは、私のように 「クマデ命」 と思えるぐらい、クマデにこだわっている人限定の提案ではありますけどね~。

クマデ(予備)

もう一度書きますよ。遺骨収集=クマデ+懐中電灯と言えるぐらい、クマデはとても大切な道具です。クマデがないと仕事になりません。通常のクマデよりも小さくて結構ですから、リュックサックに予備のクマデを入れておくと、本命のクマデを紛失した場合でも安心ですよね。ところで私は気づいたら紛失していたというのが実に多いです~。ですから私にとっては予備クマデは必須と言えますね。

クマデをリュックサックに収納する場合は、金属の爪の部分の向きに十分注意して下さいね。後ろ向きに倒れたら、クマデの爪が背中から刺さってしまったなんて事になったら一大事ですよ。私の場合は、本命のクマデそのものを合計で3本沖縄に持参していまして、そのうちの予備としての2本が、常時車の中に置いてありますから、小型の予備クマデはほとんど使う機会がないのですが、それでもクマデがいざという時に無いと大変なことになりますから、常にリュックサックに忍ばせていますが、安全を考慮して、予備のクマデは、常にリュックサックの一番下に上向きにして入れる事にしていますし、その上で爪の部分をタオルでしっかりとグルグル巻きにして、強い力が掛かった場合でも、間違っても背中に刺さるような事態にはならないような防護措置を図っています。

ノコギリ

クマデに次いで使用頻度の高い道具です。使用頻度が高いのでリュックサックに入れておくのではなく、腰に装着しておくのが理想的ですよね。ホームセンターに行くと、替え刃式のノコギリが数多くあります。私は刃のみ新品を準備して使用していますから、毎年切れ味は抜群です。刃だけ買うのであれば、比較的安価ですから、皆様にも替え刃式のノコギリを推奨します。

ノコギリの刃が長すぎると山行で難儀しますし、短すぎると使用時に難儀します。使用時の木の切れ具合や使用感など、経験により適度な長さのノコギリを見いだしてくださいませ。

ノコギリは勿論木を切る時に使用しますが、意外な用途として、大量の落ち葉を除ける際にノコギリの歯の部分を使用して掻くと、かなり効率よく落ち葉を排除できますよ。この落ち葉を除ける作業を、クマデを使用してやるとクマデの歯が蔓や根に引っかかってしまい難儀しますよね。これは誰もが体験している事と思いますが、大量の落ち葉を除けるときはノコギリの先端部を活用するのもひとつの手法だと覚えておいて下さいませ。

勿論刃の先端部分は土石と接触することにより、若干損傷してしまいますが、元々先端部は木の切断には使っていませんから損傷しても大丈夫です。各種作業にどの道具を使用するかは、総合的な利得損害を判断して行うという事も大切ですから、ぜひ一度試してみてくださいね。

携帯用のノコギリは、ほとんどの商品が生木が切れるものだと思いますが、生木を切ることのできるノコギリの刃は、切りくずが刃の外に排出されるような刃の構造になっているので、生の巨木さえも切ることが可能となっているのです。ですから樹木専用の刃でなく木工用の刃ですと、すぐに刃が目詰まりして切れなくなり、疲れ果てるだけとなりますから、"樹木剪定用" とか "生木が切れる" とかの表示を確認して購入する必要がありますよ。


ノコギリ使用上の大切な注意点を書かせていただきます。ノコギリを使用すると、切りくずと言いましょうか、おが屑が発生しますよね。これが目に入ったら…。これは大変な事態になってしまいます。場合によっては目医者に直行という事になりかねません。ノコギリを使用するに際しては、どうしても狭い空間で切断しなければならない場合も多いですよね。狭い場所での作業の場合は、自分の目のすぐ前で木の幹や根を切らねばならない場合もあります。また自身の目の位置よりも高い所の幹や根を切らなければならないなんて事もあります。こうしたケースの場合、おが屑が飛んできて目に入らないように十分注意しなければなりません。特におが屑は風で遠くに飛びますから、切断作業の風下にいる人は、ノコギリを使った作業をしていなくとも、おが屑が飛んできますので要注意ですよ。

煙草を吸っている人の近くに居ると、受動喫煙という事になりますが、それと同じ状況ですね、違うかな…。風下に居て、おが屑がたった一粒だって目に入ったら痛いですからね。私も経験しましたが、おが屑はギザギザが多いせいか、中々目から流れ出てくれないという印象があります。

それから、十分に注意をしていても尚、おが屑や作業中にホコリなどが目に入る場合もあります。目にゴミが入った場合における最悪の事態を防ぐ意味で、持参する救急薬品の中に目薬を同梱しておくことを強く推奨します。目薬を使用すれば、より迅速におが屑を目から流し去ることが可能になりますからね。くどいですが遺骨収集では、目薬持参を強く推奨しますよ。

ノコギリは鉄製品ですから、管理が悪いとすぐに錆びてしまい、結果として切れがとても悪くなったりしますので要注意です。ノコギリを毎年遺骨収集の時だけ使用するという方も多くいらっしゃるかもしれません。その場合は何年にも渡って使い続けるという事になりますので、その年の遺骨収集から帰ってきた後のノコギリの手入れがとても大切になりますね。洗剤やシンナー等で木の灰汁を落としたうえで、油を含ませた布等でノコギリの刃全体に油の膜で覆うようにして収納します。その場合に刃とサヤとは別にして、ラップ等を用いて刃のみ巻いておくという風にすると保存状態は格段に向上しますのでお試し下さい。

剪定バサミ

御遺骨が発見された場合、収集作業で大活躍する道具ですよね。収骨作業をする場合、樹木の大きい枝葉ノコギリで切断し、小さな枝や細い根は剪定バサミで切っていきます。また御遺骨に絡んだ植物の根などを慎重に切断するときに使用しますが、この道具の有用性は使ってみれば納得できますよね~。他の道具では決して代替できません。剪定バサミを一度でも作業現場で使用したなら、多くの方が装備の必須リストに入れるに違いありません。それぐらい不可欠な道具ですし、何よりも作業能率を高めてくれますよ~。

太い根はノコギリで切断すればよい訳ですから、剪定バサミは切断可能な樹木等の直径により大中小の各種サイズがありますが、小型サイズのもので十分ですよ。現場ではどちらかと言うと、大きいサイズのものは使いづらい可能性があります。通常剪定バサミは、手袋をした状態で使用しますよね。この手袋をした状態では、手袋をしない時との比較で、握る可動範囲が狭くなる点に注意する必要があります。特に剪定バサミについては、通常握る部分が常に開いているように作られた物も多いですが、このような剪定バサミは手袋をしているのと、していないのとで握る位置がずいぶんと違ってきますから要注意です。

このような観点から、理想的には使用する手袋を持参して、購入予定の剪定バサミを握ってみてから購入されることを推奨したいです。面倒がらずにこの点をチェックしてから購入すると、理想的な大きさの剪定バサミを購入する事が可能となるのです。

剪定バサミは道具としては小さい物ですよね。つまり作業現場で紛失しやすいという点に注意が必要です。実際に剪定バサミを現場で紛失してしまった方を複数人知っています。紛失防止対策として、ホームセンターに陳列されている剪定バサミを見ますと、紐を結ぶことの出来る商品とそうでない商品とがあります。私は紐を繋げることの出来る剪定バサミを使用しており、実際に伸縮自在の紐で結んで使用していますから、紛失することは無いと言えますが、紐を繋げられない商品をお持ちの方は、剪定バサミの色に着目して選んでみて下さい。例えば黒色よりも明るい黄色とかピンク色などの方が、視認性が良いですから目に付きやすいですよね。私はすごく目立つピンク色の剪定バサミを使用していますよ~。(笑)

剪定バサミはノコギリの項目でも書きましたが、同じく鉄製品ですから、管理が悪いとすぐに錆びてしまい、結果として切れがとても悪くなったりしますので要注意です。特に回転軸の部分が錆びてしまうと使い物にならないというレベルに劣化してしまいます。剪定バサミを毎年遺骨収集の時だけ使用するという方も多くいらっしゃるかもしれません。その場合は何年にも渡って使い続けるという事になりますので、その年の遺骨収集から帰ってきた後の剪定バサミの手入れがとても大切になりますね。洗剤やシンナー等で木の灰汁を落としたうえで、油を含ませた布等で刃や回転軸部分を油の膜で覆うようにして収納します。その場合はラップ等を用いて刃の部分を巻いておくと保存状態は格段に向上しますのでお試し下さい。

シ ノ

剪定バサミと同じく、御遺骨が発見された場合、収集作業で大活躍する道具です。ですが、ほとんどの方がシノという道具のイメージを思い描けないと思われます…。

建設業で使用する特殊な道具ですが、遺骨収集では岩を掘り返す時に使用します。ただの鉄の棒ですから、安価ではありますけどね。使ってみるとその効果は絶大で、素手では絶対に動かせないと思われる岩も、容易に動かすことができ、感激して目頭が熱くなるほどです(^_^;)、但し御遺骨が発見されない場合は、鉄の棒ですから持って歩くのに重くて散々だと感じますけどね。しかしながら発見されれば、必ずやその持ち運びの負担を上回る絶大な効果を回収できるでしょう。

上掲の各種道具は御遺骨が発見された場合、作業能率を格段に向上させてくれるものばかりです。重いですが体力に自信のある方は、ぜひ持参して下さいますよう御願いします。

上掲の作業用の各種道具は、収納できるケースを腰ベルトに装着しておくと、手の自由度が増しますし、探索や作業性を効率化することができますし、置き忘れを防ぐ手立てにもなります。

シノは大きな岩を移動したい場合に大活躍してくれる道具ですが、シノを持っていないケースで、大きな岩を移動しなければならない場合における、ひとつの手段をご紹介します。大きな岩を振り上げて、動かしたい岩に素早くガツンとぶつけると、強い衝撃により岩相互の固結力も緩くなりますので、比較的容易く目的の岩を移動しやすい状況になりますからぜひ試して下さい。原始人はこの方法を多用したに違いありません。(笑)

笑っていられません、意外にもこの手法は作業能率をアップするのに、かなり有効な手立てですから是非お勧めですよ。但しギックリ腰には注意してね~。この “岩当て” は、正しく行えば安全な作業ですが、念のため岩を当てた後に、更に副次的な岩の飛散には十分注意して下さいね。

スコップ(小)

限られた時間に、いかに手早く収骨作業を進めるか!!。これは遺骨収集奉仕活動に参加される方々に、常について回る命題でもあります。この折りたたみ式のミニスコップも、そうした迅速さを求められる収骨作業で、きっと活躍する道具となるはずです。

もちろん、内部空間の大きい洞窟内で本格的に調査・収骨作業を進めるというような場合には、通常の大きさのスコップを使用する方が良いに決まっていますが、例えば洞窟内でも、背を屈めないと歩けないというような、非常に狭い場所での収骨作業というケースも多々ありますからね。収骨作業する場所の作業空間がどれくらいあるかによって、収骨作業に直接関与出来る人員とか、道具とかを取捨選択しながら作業を進めるというのが肝心と思われます。

私の場合、この折りたたみ式のミニスコップは常には携帯しません。形が大きいですし重たいですからね。通常は車の中に置いてあります。露天であるいは洞窟内で御遺骨を発見し、収骨作業が予定されている場合のみ持参するようにしています。

懐中電灯(必須)

クマデの所でも書きましたが、遺骨収集=クマデ+懐中電灯と言えるぐらい、懐中電灯は不可欠な、かつとても重要な道具です。懐中電灯の照射性能がご遺骨の発見率を左右すると言っても過言ではありません。これは洞窟(壕)内は勿論、雨の日に暗いジャングル内で遺骨収集をされた経験のある人なら、極めて断定的に納得していただけるでしょう。という事で遺骨収集に参加される皆様も、懐中電灯には、ぜひぜひお金を惜しみなく使って頂きまして (^^;)、なるたけ光量のあるものを購入して下さいませ。

言わずもがな、洞窟内などで使用しますので、なるたけ光量(ルーメン)のあるものがよいです。当然のことながら、光量があるものは電池の本数も多く必要となりますから重いのが難点ですけどね。発見率を高めると心得て、頑張って持参して下さいませ。

私は単一電池4本の懐中電灯を使用しています。重いけど明るいですよ、なんと700ルーメンの大光量です。こんな大光量は、マニアの世界になってしまいますので、これほど明るい懐中電灯は必要ないと思います。参考として読んでおいて下さい。ちなみに私の懐中電灯よりも、更に大光量の懐中電灯を持っている方が、金光教の遺骨収集で、たった一人ですが居ます。興味のある方は、引き合わせますのでお声がけ下さいませ。(笑)

懐中電灯を選ぶ際の注意点としては、商品によっては明るいけど実用の使用可能時間が短いという商品もありますから、照度(ルーメン)と実用照射時間の二つをきっちりとチェックしてから、ご自身の判断で購入して下さいませ。また懐中電灯を実際に使用する際の注意点ですが、樹木でびっしり覆われた密林とか、あるいは曇天や雨の日などはジャングル内がとても暗いですから、終日懐中電灯をつけっぱなしにする事もままありますので、電池の寿命を懐中電灯のスペックとを照らし合わせ、昨日から使っている電池とかであるなら、予備の電池も忘れずに携帯すると安心ですよね。電池の切れた懐中電灯なんて…。という事態になってしまいますからね。

壕内調査の注意点を書かせていただきますが、懐中電灯を照らして単独で洞窟に入ろうとする場合は、必ずや他のメンバーに一声掛けて入る必要がありますよ。複数人で入る場合はその限りに非ずですが、理由は文字通り行方不明になった場合、捜索が極めて困難となり、本人が御遺骨で発見されるという事態になりかねないからですね。

洞窟の奥行きがあまりなく、洞窟の形状も単純で見通しがきくような場合は、あまりシビアに捉える必要もありませんが、その場合ではリュックサックを入り口付近に置いて "人が洞窟に入っているよ" とのメッセージを発する形にしてから入って下さいね。浅いと思って入った洞窟が、意外と奥深い場合、ついついそのまま奥へ奥へと前進してしまいがちですからね。気持ちが前向きだと容易には引き返せませんよ。その点くれぐれも注意して下さいね。

懐中電灯(予備その1)

例えば洞窟内で作業中、或いは調査中に懐中電灯を深い穴底に落としてしまった… (実は私も経験有り)。このような場合、洞窟から脱出するのに、予備のペンシル型の小型懐中電灯を胸ポケットに入れておくと安心ですよね。もちろんヘッドライトを装着されている方は、この限りではありませんが、ペンシル型の小さな懐中電灯をすぐに出せる所に収納してあると、何かと便利に活用できる場合も多いですから、ぜひ携帯することをお勧めします。但し、すぐに出せるようにしておくというのが大切なポイントですよ。

懐中電灯(予備その2)

メインの懐中電灯が何らかの理由で壊れてしまった。消えてしまった…。懐中電灯は、クマデに次ぐ大切な作業道具です。懐中電灯が無いと洞窟にも入れませんし、曇天や雨の日は地表面さえ暗くて見えません。これは大変困った事態になります!。遺骨収集奉仕活動の貴重な一日が台無しになりかねません。懐中電灯の使用不可能という事態は絶対に避けねばなりませんね。

LED懐中電灯は電球が切れる等の故障がほとんど無いと思えますから、このようなリスクは少なくなっていると思いますが、メインの懐中電灯を高い所から落としてしまったり、紛失してしまったという事態も遺骨収集では起こりえますから、いずれにしてもこのような予期せぬ最悪の事態に備えて、少し小型で良いですから、予備の懐中電灯をリュックに入れとくと安心です。私も一度だけ途中で紛失して大変困った事がありましたが、皆様においても、調査や作業に夢中になって取り組んでいるうちに、いつの間にかメインの懐中電灯を紛失してしまったという事態も絶対にないとは言えませんからね。

私は「マイクマデ」と「マイ懐中電灯」は遺骨収集における大切な命と考えています。ですから予備の懐中電灯は、常時携帯している懐中電灯と同じもの、つまり単一電池4本700ルーメン大光量懐中電灯をもう一個予備としてリュックサックに入れて携帯しています。但し重いです~。

ヘッドライト

文字通りヘルメットに装着して目の前を照らす照明器具です。昨今では装着して参加される方が多くなりましたね~。ヘッドライトは洞窟内での作業等で大活躍する事請け合いです。私は単三電池三個使用で230ルーメンの光量のヘッドライトを使用しています。

ヘッドライトは一度使ってみると、二度と手放せなくなる便利品ですよね。洞窟内での作業効率も格段にアップします。最大のメリットは、何と言っても両手がフリーハンドになるという点ですからね。ヘッドライトは懐中電灯ほど光力はありませんが、二三人が同じ場所を照らして作業する場合などでは、作業に十分な光量が得られる場合があります。また手で持つ懐中電灯よりも、少し高い位置から照射する訳ですが、これがまた有効なのですよ。

私は予備のヘッドライトとして、230ルーメンの光量のヘッドライトをもう一個リュックサックに入れて携帯しています。何故かと言いますと、遺骨収集奉仕活動を終えて帰宅してから、ヘッドライトを確認しますと、それはもう傷だらけ…。いつ壊れてもおかしくないレベルの惨憺たる状況になっています。実際に洞窟内でヘルメットを強烈にガツンガツンと、数え切れないほど岩にぶつけますからね~。そのせいでしょうかね。最近は頭が悪くなったような印象が…。これは冗談ですが、という訳で私にとっては、予備のヘッドライトも又必須となっていますよ。

ランタン

山や河川敷などで、キャンプをする際に重宝する光源ですよね。より明るくするには電池もたくさん必要になり、重い荷物になりがちですが、ヘッドライトや懐中電灯と違い、空間全体を照らすランタンは、使ってみるとその有用性になってくするはずです。つまり洞窟内での収集作業時には洞窟全体を明るく照らすので、重たくかさばっても、携帯する価値が十分にあると言えるでしょう。参加メンバー各自がランタンを持ち寄れば、洞窟内はそれはそれは明るくなります。洞窟全体が明るくなると、作業効率が上がると感ずるのは私だけでしょうか~。

私の場合、ランタンは常に携帯しません。形が大きいのでかさばりますし、リュックサックに収納するにしても、かなりの容積を必要としますからね。通常は車の中に置いてあります。洞窟内で御遺骨を発見し、収骨作業が予定されている場合のみ持参するようにしています。

白 布(必須)

御遺骨を収集した際に、この白布に包んで、本部テント前まで持ち帰ります。発見された御遺骨の尊厳を保つために、遺骨収集奉仕活動に参加する人は必ず持参するようにしましょう。

御遺骨の収集に際し、クワズイモなどの大きな葉の上に、御遺骨を乗せている方がいらっしゃいますが、出来れば避けたいです。白布の大きさとしては、風呂敷と同じ程度の大きさが扱いやすいと思いますよ。但し、近年では御遺骨の "完全一体" を発見しても、骨の総量は本当に少なくなりましたね。20年30年前と比較すると半分以下と言えるぐらいに減少しています。ですから、風呂敷の大きさより小さくとも不都合は感じなくなりましたね。

そうした事もあり、近年の私は50センチ×50センチの大きさの白布を10枚程度持参するようにしています。多めに持参する理由は、少なからず白布を持参しない方がいらっしゃるので、そうした方々が収骨している際に、白布をご提供するために、多めに持参しているというわけですね。

白布はどこで売っているの? という方もいらっしゃるかもしれません。私はスーパーであるイトーヨーカドーさんで購入しています。布地などを売っている所に置いてありましたから、手芸店や手芸コーナーなどに行けば、大概あると思われます。

御遺骨の "完全一体" の残存ボリュームという点では、炭酸カルシウムを主成分とする石灰岩で構成されている沖縄の洞窟(壕)は、洞窟がある意味、同じカルシウムである骨を守る役割をしており、露天の地表骨よりも残存する年数が断然長いそうですよ。ですから長いスパンで見れば、これからは洞窟に注目といったところでしょうかね。実例として、沖縄で一万八千年前の人類とされる「港川原人」の骨が発見されたのも洞窟であり、洞窟だからこそ万年の単位で残存していたと言えるでしょう。

呼び笛(必須)

体育の先生が吹くあの笛です。安いものは100円~200円程度で購入できます。ジャングル内や壕内でのアクシデントが発生したら、この笛を吹いて周囲に居るであろう他のメンバーに 「緊急事態発生! 助けて! すぐ来て欲しい。」 と音で知らせ、救助を要請す場合に使用します。

また探索に夢中になり、ジャングル内で自分一人迷子になってしまった場合にも、笛を吹いて周囲の反応をみると、笛の音が返ってくる場合がありますから、そしたらその笛の方向に向かえば、再びメンバーと合流できるはずです。

金光教では、「御遺骨発見!」 時にも、笛を吹いて周囲に知らせます。事前に笛の吹き方に意味づけをして、複数の吹き方を参加者全員で共有するようにすれば、なおベストですよね。

呼び笛は緊急時に使用する可能性が高いので、リュックサックの中でなく、胸ポケットに入れておくか、ヒモで首に吊って作業服の内側に入れておくなど、すぐに取り出せる形態にしておくのが良いと思います。

呼び笛は登山における非常食と同じように、トラブル等が無ければ役に立つことのないものです。ですから通常では目立たない存在ではありますが、呼び笛は緊急時には大きな力になってくれるはずです。自分自身や他のメンバーの安全をより確実に保証する為に、遺骨収集に参加する方は全員が必ず身につけるように御願い致します。

着替用下着(必須)

遺骨収集奉仕活動は思いのほか重労働であり、汗をかく頻度も高いです。洞窟内では、さらに汗をかく可能性が高まります。汗に濡れた下着のままだと、昼食時や夕方になると今度は寒く感じ、風邪を引くかも知れないので、着替えの下着シャツを2枚程度、汗かきの人はそれ以上あると安心ですよね。

断っておきますが、パンツの着替えについては、これまで着替えた人を見た事がありませんし、体験的にもそれは不要だと思います。上半身の下着交換で十分ですよ。(笑)

汗で濡れた下着を着続け、その汗が冷えてしまい寒く感じてしまう可能性がある時が、少なくとも昼食時そして作業撤収時の二回はあります。ですから最低で二枚、特に汗かきの人は、二枚以上多めに持参すると安心ですよ。

ナイロン系やポリエステル系の下着は、汗が冷えるととても寒く感じます。また綿の下着は汗を吸うとなかなか乾きにくいですが、その点登山用の下着は高機能で速乾性があります。但し遺骨収集をするために、わざわざ登山用下着を買い求めるほど頑張る必要はないと思いますよ。少し我慢すれば良いわけですからね。ちなみに私はナイロン系よりも冷え感が少ないと思える綿の下着を着用する事にしています。(^o^)

ハンカチ・タオル(必須)

ハンカチやタオルについては、これは特段説明するまでもなく、リュックや作業服の胸ポケットに忍ばせておくことをお勧めします。はっきり言って遺骨収集奉仕活動はかなり汗をかきます。暑い日は勿論、洞窟内での作業とかで、夢中になればなるほど汗をかきます。

またハンカチやタオルは布ですから、ケガをした時など傷口の対応にも使えますし、ハンカチは目にゴミが入った時などに、ツバでぬらしたりして使用すると重宝したりと、思いの外活躍する場があります。また時として涙を拭くなんて事もあります。これはご遺骨を発見した場合に限定されるかもしれませんけどね…。

ティッシュ(必須)

ポケットテッシュ。これも特段説明するまでもなく、ジャングル内で用を足すときに使用します。蛇足ですが、沖縄戦当時は、草の葉で用を足していたそうですよ。この機会に使ってみますか。

トイレといえば、集団から少し離れた木々の影に隠れてトイレをしている間に、"他のメンバーがサッサと移動してしまい独りぼっちになってしまった!" という事態も想定されます。冗談でなく。 トレイに行く時は、ご婦人なら他のご婦人に一声掛けてから用を足すと、多少時間オーバーしたとしても、声を掛けられた人が待ってくれていたりして安心ですよね。

救急医薬品

バンドエイド・綿・ガーゼ・包帯・消毒薬・目薬等、皆様が携帯を必要と思われる医薬品を、専用ケースに入れて携帯します。目薬は目にゴミが入った場合、ゴミを目から排出させるに際し、とてもありがたい存在となりますので、ほぼ必須レベルで目薬は携帯する事を強く推奨します。(救急薬品は必須項目に入れていませんが…)

ジャングル内では軽いケガに気がつかなくて、風呂に入るときに膝やスネなどに小さなケガがある事に気づいたりする場合が多々あります。山野では緊張しているからでしょうか、小さなケガに気づきにくいものですが、結果的に結構傷を作っていることにビックリするでしょう。ですから思いの外、遺骨収集では小さなケガは付きものと考えて、バンドエイド等の一定の救急用品を持参すると安心ですね。(^o^)

救急薬品に関連して、目の外傷を防ぐという観点で、メガネをかけている方は、雨の日は曇ったりして大変ですが、枝葉がバシッと顔に当たった場合は、目を保護していくれますね。また目を守るという意味で、参加者の中で保護メガネを着用されている方も、ごくわずかですがいらっしゃいますね。保護メガネはホームセンターで販売されています。値段はピンキリですが、安いものは300円程度とお手頃価格ですよ。(^o^)

赤色ビニールテープ

銃弾・手榴弾や艦砲砲弾などを発見したら、赤色ビニールテープを巻き目立つようにします。手榴弾は直接巻き、艦砲砲弾など大きなものは、決して移動することなく、艦砲砲弾があるから要注意という警告の意味で、赤テープを周囲の岩などに巻き付けます。すなわち立ち入り禁止というような意味合いでテーピングするのも推奨したいです。繰り返しますが、艦砲砲弾のような大きな不発弾は、持ち上げたり触ったりするのは絶対厳禁ですよ。また銃弾・手榴弾などは、周囲を見渡し出来るだけ高い場所に置き、遠くからも目立つように置くなどの措置をするのがベストです。

繰り返しになりますが、翌年以降ジャングル内に入る人たちの危険を回避するために、手榴弾等を発見した場合は、赤テープを巻き、出来るだけ目立つ場所に置くのがポイントです。手榴弾等に赤テープを巻く際は、ピン部分を含め慎重に取り扱って下さいね!。

カッター・ハサミ・温度計・メジャー

遺骨収集奉仕活動で "あると便利" なものを列挙しました。カッターはペンのように胸ポケットに刺しておけるものだと迅速に出し入れできますよ。ハサミの場合は、胸ポケットに入れると危険かもしれません。リュックサックのポケットが良いでしょう。

これらの出番はあまりありませんが、手榴弾等の不発弾を赤いビニールテープで巻いたりする場合はあると便利ですね。メジャーは2メートル程度計測できるもので十分です。かなり小さく軽いメジャーが販売されていますから、携帯するのに負担は無いと思います。艦砲砲弾の寸法やその他戦争遺物の寸法を、写真と共に正確に計測・記録しておきたい場合は必須ですし、特に考古学的な調査手法を加味して遺骨収集を進める場合には、長さや重さを計測する測量器具は必須のアイテムとなります。

カメラ

リュックサック内ではなく、腰ベルトに装着したカメラケースに入れておくと撮影もスムーズですよね。但しカメラは精密機器ですから、粉じん・衝撃・雨などの環境対策を考慮して携帯そして取り扱わないと、カメラが悲惨な状態になってしまうので要注意です

もちろん、予備の記録メディア・予備の電池の携帯は必須ですよ。私は同じカメラをもう一台、つまり予備のカメラも携帯しています。それから清掃用ウエス・カメラ専用ブロアー・レンズ清掃専用ウエス・ティッシュ・レンズクリーナー等の清掃用品も必須です。汚れたレンズでは、せっかく撮影しても…。ですね。これらのカメラ清掃用品は、透明のクリアハードケースなどに入れておくと視認性が高まり出し入れしやすいですし、レンズ清掃専用ウエス・ティッシュなどを湿気から守ってくれますよ。

カメラは高価ですから紛失したら大変です。伸縮自在のヒモなどでベルトなどと結んでおくと、置き忘れを防ぐ事ができます。またカメラケースはホームセンターなどで販売されている小さな収納ケースを購入するのではなく、カメラ屋さんで買うのが良いと思います。といいますのも、カメラ屋さんに置いてあるカメラケースは、元々カメラを入れるために作られており、当然のことながら外部からの打撃による損傷を防ぐために、ケースの生地がとても厚いものを使用しています。また構造も四角い形状が崩れないようにしっかりしています。ですからカメラをしっかり守るためにも、カメラ専用の収納ケースを装着されることをお勧めしたいです。

ただ、カメラ専用の収納ケースを推奨しておいてなんですが(^^;)、この専用ケースの場合、安全を確保できるのは間違いありませんが、頻繁に撮影する場合には、ちょっと…、という面も否めません。ですから、私はカメラ専用の収納ケースではなく、それに近い収納ケースを若干加工して使用しています。皆様も既製カメラケースを準備するのもよいですが、若干加工して使い勝手・収納勝手をよくするのを推奨したいですね。カメラの携帯に対しての安全性と利便性を秤に掛けて、最終的にご自身で判断して準備して下さいませ。

もう一点大切な点を書かせていただきます。デジカメはレンズキャップに代えて、シャッター式のレンズキャップとなっている場合が多いですが、そのシャッター部分が作業注に損傷を受けたら、もうカメラは使い物になりません。通常はカメラケースにカメラを収納しておく訳ですが、レンズシャッターの防御を強化する意味で、そのカメラケースの前面部分に例えば厚み3ミリ程度のベニヤ板を入れておけば、作業中に何らかに物体がカメラケースに強く当たっても、カメラのシャッター部分の損傷を防ぐ事が出来ますよ。

市販のカメラケースには、もちろんそこまでの防護措置は施されていませんから、これは勿論自作しなければなりません。私も昔はカメラケースではないごく普通の収納ケースを利用してカメラを入れていましたが、その時は3ミリ厚のベニヤ板を外側に入れて、カメラのシャッターが損傷するのを防いでいました。

カメラは高価ですから紛失したら大変です。ジャングルの中に置き忘れてしまったら、分したしたと思われるおおよその場所が判明したとしても、慌てて取りに戻ることもままなりません。ですからカメラの置き忘れを防ぐ意味で、カメラとカメラケースとを紐等で連結しておくことをお勧めします。カメラ屋さんなどに、その手の伸縮するワイヤーみたいな商品が沢山並べられており、価格も手ごろですから、ぜひ購入することをお勧めします。購入する際のポイントは、ワイヤーを腰ベルトかカメラケースに固定し、もう一方をカメラに固定するわけですが、カメラを構えた際に、ある程度テンションが掛かるぐらいの長さのものを購入することをお勧めします。

少し短めにしておくと、カメラを落としてしまった場合に、ある程度のテンションが掛かかりますから、落下の衝撃を若干でも緩和してくれる可能性がありますよね。またワイヤーに接続されていれば、カメラを落としたら、そのまま谷底に落ちてしまった…。などという悲惨な事態を防ぐことも可能です。そうした事もあり、カメラは伸縮自在のワイヤーなどで、しっかりと接続しておく事をお勧めしますよ。

私は予備のカメラとして同じカメラをリュックサックに入れて携帯していると書きましたが、その予備カメラを収納するハードケースの大きさは、カメラの周囲に衝撃吸収材を入れて尚、容量にゆとりのあるハードケースを推奨しますよ。何故かと言いますと、その空隙には乾燥剤を入れておくという訳なんですよね。私は遺骨収集に数日間取り組む事が慣例となっていますから、リュックサックに入れたカメラを湿気から守るためにも、この乾燥剤を入れるというのは必須の要件となっています。ちなみに二日間程度の日程で参加される場合は、予備カメラへの乾燥剤等の添付措置は必要ないと思われます。

手帳・筆記具

ジャングル内で起こった事柄のすべてを記憶してしまう自信のある方は、持参する必要はありませんが、その自信が無い方は、いつでもメモを取れる体制にしておくと、貴重な情報を忘却せずに済みますよ。

手帳を作業服胸ポケットに入れておくと、汗で紙が濡れてしまう恐れがありますし、実際暑い日はほぼ確実に汗により手帳はひどい状態になりますね。ですから、その点を十分に注意して下さいね。また手帳によっては湿気に強い紙を使用している商品がありますから、文房具店を探してみて下さい。私はそうした手帳を常に使用していますから、そうした悲惨な事態からは解放されました。

装備品は常に改善する必要性があります。注意深く自身の行動を観察する事が遺骨収集奉仕活動に関わるノウハウ向上には必須です。ジャングル内を歩いている最中に、そして収骨作業中に、装備品の改善点が閃いたらすぐにメモをとる、という習慣を付けましょう。

コンパス

方向感覚というものは個人差が大きいようですが、目隠しをして360度回転したら、もうどっちを向いているのかサッパリ解らないという方は、ぜひ携帯することをお勧めします。特に雨や曇天で太陽の方角が不明な場合で、360度同じ風景の場合などは、人間の方向感覚というものは、ほとんど当てになりませんよ。

曇天の日にコンパス無しで、北に進んでいると思っていたら、少しずつ方向がずれて、いつの間にか南に進んでいたという事例も体験しています。またジャングル内では、人は自分の立ち位置を見失うと、精神的なパニックに走りやすくなりますので、転倒等のリスクが増します。"風が吹いただけで、お化けが出たと早とちりする方" は、特に携帯することをお勧めしますよ。(笑)

登山用のコンパスがお勧めです。北の方角を把握し合わせるだけで、進みたい方向に前進する事ができるからです。私は胸ポケットに登山用のコンパスを入れてますし、腕時計に装着するミニコンパスの二種類を携帯しています。また予備のコンパスをリュックサックに入れているなど、合計3個のコンパスを持ちます。腕時計に装着するものは時刻を見るように、簡便に見られるのでお勧めですね。登山用品のお店にありますので探してみて下さい。

団体で行動する場合は、ほとんど必要ありません。団体行動では、コンパスを携帯する事よりも、集団がどちらの方向に進みつつあるのかを見極め、自らも同調しつつ移動しながら作業を続け、常に周りに人がいることを把握しながら探索する事が大切です。一生懸命作業するのは良いことですが、探索に気持ちを集中しすぎると、気がついたら周りに誰も居なく、孤立していたという事態になってしまいますので要注意ですよ。

慰霊用品

ロウソク・線香・ライターなどを専用のハードケースに入れて携帯します。ハードケースにしているのは、線香が携帯中に粉々にならない為の措置ですね。

遺骨の前に灯すローソクは、5分程度で燃え尽きるミニサイズローソクがお勧めですね。これらの慰霊用品は、透明のクリアハードケースなどに入れておくと、湿気を遮断し、かつ視認性が高まり出し入れしやすいと思います。すでに御遺骨が発見されている場所に直行するような場合は、御神酒や平和祈念公園で買い求めた生花を、最初から持参するケースが多いですね。

金光教の遺骨収集の場合は、御遺骨が発見された場合、発見場所で最後にミニ慰霊祭を執り行います。亡くなられた戦没者にロウソクや線香を手向けたいと思われる方は、ぜひ慰霊用品をご持参下さいませ。(ミニ慰霊祭が終わっても、ロウソクや線香が燃え尽きていない場合は、しっかりと消火して下さいね)

ライターは100円ライターでも良いのですが、時節柄冬型の気圧配置の場合は、強い風が吹いている場合が多いです。そのような時、ライターの炎がバーナーのように燃焼するものですと、強風下でも着火が容易となります。バーナー方式のライターは200円程度で購入できます。当然のことながら、ジャングル内での火の取り扱いは、十分に注意する必要がありますよね。複数人で消火をしっかり確認してから、その場を立ち去ります。

航空機を利用して沖縄入りをする方は、預け荷物にライターを入れておくのは禁止されていますので、航空機搭乗の際は面倒でもカバン等に移し替えておく必要がありますのでご注意下さいませ。

人体骨格図

御遺骨が発見され、収集作業中に "この骨はどこの部位だろうか" とか、"この骨は動物の骨ではないだろうか" などと色々と判別に迷うことがありますが、人体骨格図を携帯していれば安心ですよね。多くの疑問を即座に解決してくれるはずです。疑問が湧いた際に、誰も人体骨格図を持参していなかったら、当然それはベテランさんに聞くべきです。ベテランさんなら、きっとすぐに回答してくれると思いますよ。

私達は沖縄戦戦没者の遺骨収集をするためにジャングルに入るわけですが、遺骨収集をしていると、実は沖縄戦戦没者の御遺骨を除いても尚、いろんな骨と出会います。例えば風葬の骨、これも人骨と言えば人骨ですが、見る人から見れば、沖縄戦戦没者の御遺骨とはかなり違っています。風葬の骨については、見比べると納得できますので、ぜひ機会があれば、戦没者の御遺骨と風葬骨とを見比べて下さいませ。

次には動物の骨も結構見かけますね。犬やタヌキ?、イタチ?、はたまた大きな魚の骨もありますよ。魚の骨はギョッとするような大きな骨があります。これら動物の骨は比較的小さなものですが、更に大きな動物の骨もあります。沖縄戦当時は軍馬というのが数多く沖縄でも飼育されていましたから、それら軍馬の骨が時折ですが発見されます。また畜産農家の近くにある壕から、病死した牛の骨が大量に出てきたなんて事も過去にありました。農家の人が穴に病死した牛を捨てたという訳です。

更には沖縄本島近海で海難事故となり遭難死した船員さんの遺体が摩文仁海岸線に打ち上げられて、その御遺骨を沖縄戦戦没者と判定して収骨したなんて事も、今振り返ると結構ある事例です。

また稀少な体験ですが、ジャングルの中で自殺して白骨化した、その遺骨を…。おっとこれは服を着ていたので自殺体とすぐに判明しましたので、収骨せずに警察に通報しました。

このように、遺骨収集をしていると、いろんな骨と出会います。私の骨格図は、パウチ (表面をビニールでコーティング) してありますから、雨の日でもためらうことなく、冊子を開く事が可能となっていますよ。

詳細な地図

団体で遺骨収集奉仕活動をする場合、地図は必ずしも必要としませんが、個人や小グループでの作業となると話は別ですよね。なるたけ詳細な地図を携帯すれば、立ち位置把握の不安が軽減されますし、必要な事柄を書き込むことだって出来ます。紙で出来ているのが多いので雨対策と、頻繁に目を通す事態も想定されるので、簡便に取り出せるようにしておくと便利です。

ローソク・着火ライター

洞窟内に大勢の人が入って長時間作業する場合、あるいは奥深い洞窟を前進する場合などでは、酸欠予防の為にローソクを点灯して置いたり、灯しながら前進する事をお勧めします。ローソクの炎の変化を見れば酸欠の前兆を予知できるという訳ですね。ただ、ローソクの炎によって酸欠空間であるかどうか感知するのは、あまり有効ではないとされています。なぜなら手に持つローソクの炎に変化が現れた時、そこはすでに酸欠空間だからです。

私たちが接する通常空気の組成は、酸素が21%含まれています。脅すつもりはありませんが、これが通常の半分ぐらい、つまり10%程度になると、筋肉が動かなくなり、危険を感じても "動けず叫べず" という状態になり、三分の一ぐらい、つまり6%以下になると、一回の吸気でも瞬時に近い形で気を失い倒れ込んでしまうそうです。怖いですよね。

脅すつもりが無いことを繰り返しますが、酸欠空間ではこのように "自力では逃げられない事態に陥る" という点だけは、しっかり頭に入れておきたいですね。ですから洞窟内では、ローソクの炎に変化が現れたり、卵が腐ったような臭いがしたり、「アッ頭痛がしてきた」とか、「アッめまいがしてきた」など、感覚的に体調変化が少しでも出たら、とにかくすぐに引き返しましょう。

沖縄の洞窟内での遺骨収集で、酸欠死亡事故が発生したという事例は、聞いたことがありませんから、あまり神経質になる必要もないかと思います。酸欠事故を拡大させない一つの手立てとして、洞窟内に入る人たちは、それぞれ距離を置いて前進すれば、助ける人助けられる人に分散できる可能性が増します。ひとかたまりで前進すると、全員が揃って酸欠で倒れるという事態になりかねません。

開口部が一カ所しかない場合、横穴洞窟よりも縦穴洞窟のほうが、酸欠空気や人体に有害な硫化系ガスが滞留しやすいとされています。洞窟内を水が流れている場合や、大雨の時には洞窟内を水が流れる形跡があるところは、入り口と出口が複数あり空気の流通があるとされ、より安全だと言われています。

私個人的には、洞窟内では酸欠死亡事故よりも、縦穴洞窟での滑落事故や、縦穴洞窟に複数の人が入った場合、上に居る人が浮き石を下に落としてしまい、下に居る人が岩に当たって怪我をするという事例の方が、確率的には起こりうるのではないかと感じています。縦穴洞窟では、上の位置に居る人と、下の位置に居る人とは、十分に距離を開けると落石を回避できる可能性が高まります。また浮き石の落石が発生してしまったら、上の位置に居る人は、速やかに下に居る人に "岩が落ちた~" と注意を呼びかける必要がありますね。

従来からある通常のローソクを洞窟内で点火後、地面や岩面に立てるというは、意外と難しいですよね。恐らく誰もが苦労しているはずです。 そこで私は直径5cm、高さ7cmのズン胴型ローソクを使っています。これだと、あ~ら不思議、手品のように "置くだけポン" で立てることができますよ。(笑)

無線機

スキー場で使用したという方もいらっしゃるかも知れません。もちろん単独でジャングル内に入る場合は不要ですが(^_^;)、集団でかつ複数箇所に分散して遺骨収集奉仕活動を実施する場合には、あるととても便利な通信機器ですよね。

難点は、洞窟内では外部と通信できませんし、通信間に巨岩が間にあれば、たった50メートル先だって無線通信できない可能性もあるという点ですね。でも開けた場所なら持てるパワーを十分に発揮してくれます。無線器機は、無線通信の免許を必要としない低ワットのもので十分ですから、必要に応じて準備すると人員を効率的に配置換えできたりと、無線での情報交換の効果を存分に発揮します。

携帯電話・財布

携帯電話も無線機(トランシーバー)と同じ機能を持っている事に注目したいですね。緊急連絡用として必ず携帯したいものです。荒崎海岸や喜屋武岬付近では間違いなく電波が入ります。一方摩文仁崖下海岸線では電波が入らない地域も少なくないのです。

参加者同士で携帯電話番号を交換しておけば、必要に応じて連絡を取り合うことが可能となります。また人身事故が発生した場合には、緊急連絡する際にも極めて有用であるといえるでしょう。携帯電話をお持ちの方は、必ず持参してジャングルに入ることをお勧めします。財布つまりお金は、移動中にコンビニなどに寄ったりする場合に必要ですね。

健康保険証(必須)

遺骨収集奉仕活動は、ある意味とても危険な作業が伴います。捻挫や骨折した場合は、事故現場から病院に直行する場合が多いと思われます。実際に過去数人の参加者がケガにより病院に搬送されましたので、ケガをされた方は健康保険証を持参して良かったと思われたことでしょう。

リスクの多いジャングルに入るわけですから、老いも若きも全ての参加者が健康保険証のお世話になる可能性があります。健康保険証は必ず携帯して下さいますよう御願いします。健康保険証は紙で出来ていますので、携帯する際には雨や汗で濡れないように、ビニール袋やジップロック等に収納しておくと安心ですよ。

ゴミ袋・スーパー袋

「リュックサックに入れておいた着替えように準備した下着が背中からの汗で濡れてしまって使い物にならなくなった」、「リュックサックに入れておいたお弁当から汁が漏れ出てひどい目にあった」 というような経験はありませんか?。

これらの事態は下着やお弁当を、スーパー袋やゴミ袋などに入れて収納しておけば防ぐ事が出来ますよね。スーパー袋やゴミ袋は、その他の用途としてゴミを入れたり、着替えた汗でびっしょり濡れた下着を入れたり、お菓子類や装備品を仕分けして入れたり…。などなど、あるととても重宝します。

収納する袋は透明であれば収納物が見えますから尚グーですね。。ゴミ袋・スーパー袋はかさばるものではありませんから、使う予定がなかったにしても、また使う予定枚数より多めに、リュックサックの底にでも入れておくと 「準備しておいて良かった(^o^)」と思える嬉しい事態が多々ありますよ。

飲料水(必須)

摩文仁一帯は飲用可能な湧き水はありません。ジャングル内で飲みたいときに水がないのは辛いですよ。作業撤収時、まだ水が残っているぐらいがちょうど良いぐらいですから、本数が増えるほど重くなりますが、少し多めに持参するのを習慣としましょう。沖縄でも寒いと感ずる日がありますので、その日の朝の天気予報により見極めなければなりません。また摩文仁に到着した時、空を見上げてから携帯する本数を判断するのも有りです。駐車場横に自動販売機がありますからね。

いずれにしても沖縄の2月はかなり暑い日がありますので、十分に飲料水を持ちましょう。体験的には、気温が20度を超える場合は、500ml入りペットボトル2本では足りないと感じています。気温が20度を超える場合は500ml入りペットボトル3本持参を強く推奨します。炭酸飲料は逆に喉が渇くので避ける方が無難というのは明かですが、通常持ち歩く飲料水の種類としては、普通の水とポカリスエットやアクエリアスといったスポーツドリンクがありますね。皆さんがお好みに合わせてご準備下さいませ。ちなみに私は水とスポーツドリンクをそれぞれ1本ずつ持参するのが原則で、“喉が渇いたら水を飲み、疲れたなと感じたらスポーツドリンクを飲む” というようにしています。

雨の日は特に注意!。雨の日は雨合羽を着ますよね。意外に思うかもしれませんが、雨合羽を着ると想像以上に汗をかく事になりますから、結果としてかなり喉が渇きます。雨の日は気温も低く寒いぐらいだったりしますから、ついつい油断して少量の飲料水しか持たずにジャングルに入る事もありますが、雨の日こそ油断せずいつも通り十分に水を携帯しましょう。

蛇口や自動販売機に囲まれ、いつでも水を飲む事の出来る環境にある私たちは、ひとたび 「飲みたい時に飲めない」 という事態に直面すると辛いですよ。“飲料水は多めに持つ” で行きましょう。(^o^)

お菓子

遺骨収集奉仕活動は思いのほかハードな作業ですよ。お昼前や夕方にはお腹がすいたと感ずることもままあります。それだけハードな行動をしているという訳ですね。ですからチョコレートや飴、クッキーなどの甘いお菓子をリュックサックに入れておいて、お腹が空いたなと思うときに食べると、あ~ら不思議、すぐにやる気・エネルギーが沸いてきますよ。ホッ 本当ですよ~。

金光教の遺骨収集の場合は、御遺骨が発見された場合、発見場所で最後にミニ慰霊祭を執り行います。亡くなられた戦没者は、存命中に喉の渇きに苦しみ、空腹に泣きました。ミニ慰霊祭に参列される方は、ぜひ亡くなられた戦没者に、お菓子や飲料水を手向けるために、ぜひとも少し余分にそれらをご持参下さいませ。

繰り返しとなりますが、喉の渇きと空腹に苦しんだ戦没者に、また一杯の水を飲みたいがために、水場に近寄り米軍に射殺され命を落とした戦没者に、可能な限り持っている飲食物をお供えしてやって下さいませ。

私もすでに御遺骨が発見されている場合などは、お供えすることを目的に、食べきれないほどリュックサックに詰め込んで携帯しますよ。多く持ちすぎると、そのまま持ち帰る事になったりしますが、休憩時に皆さんにおすそ分けという事で、分かち合って食べるようにしても良いと思います。

お菓子などは、包装紙やビニールから出してお供えすると、後日動物や昆虫たちの餌となりますから、お供え物は結果として動物や昆虫たちには嬉しいプレゼントになるでしょうし、食べてもらえなかったとしても、最終的に微生物の分解を経て土に帰りますから、ゴミの発生もゼロとなり、環境に配慮した対応という事になります。

遺骨収集は山岳登山ではありませんから遭難するという事態は考えられません。また班による集団行動ですから、「非常食」の準備をしなければならないほどシビアな世界ではありませんが、リュックサック容量に余裕があるなら、非常食という意味合いも兼ねて甘いお菓子などを携帯すると安心感が増すかもしれませんね。

お弁当・おにぎり(必須)

お昼に食べるお弁当は、各自が調達することになりますので、宜しく御願い致します。種類としてはお弁当、おにぎり、そしてパンなどが上げられますね。例えば幕の内弁当など、斜めになると汁が流れ出る恐れのあるお弁当は、汁が流れ出たら最悪ですから、あまりお勧めできません。という事で遺骨収集奉仕活動では、嵩張らず食べ終えた後にゴミが少ないおにぎりやパンがお勧めですよ。これらは分割して袋詰めされているとも言えますから、食べられそうな分量として、二個とか三個購入する事も可能ですから、活動に見合った分だけ購入できるというのも嬉しいですね。

摩文仁付近の国道331号線上にコンビニは二軒しかありません。(米須と具志頭です) 従ってそのコンビニへの到着時刻が遅くなればなるほど、購入したいと思っていたお弁当やおにぎりが手に入らないかもしれませんよ。ですから摩文仁よりもっと那覇市寄りのお店で、お弁当その他必要なものを購入しておくと、ほしいと思っていた種類のものが確実に入手できるでしょうし、何より慌てずに済みますよ。

遺骨収集の装備品ご紹介その1

サイト管理人のヘルメット、手袋、そして腰に装着する装備をご紹介しています。ノウハウがびっしり詰まった理想的な装備と自負しています。ご紹介の装備は、これからご遺骨を見つけようとする場合について、特に推奨される装備品を装着していますが、すでに発見されているご遺骨を収集する場合にも十分対応する道具が含まれていますから、「ご遺骨を探す・ご遺骨を収集する」という両面にバランス良く対応するようセットされています。

理想的な装備と表記しましたが、現在でも毎年少しずつ装着する装備品を入れ替えているのが実情です。つまり装備品とは遺骨収集奉仕活動の本質に関わる課題であり、戦後における経年数や、径年数に伴う残存御遺骨の多寡、地表骨の減少に伴う埋没骨への移行、そして調査・収集地域の特性及び情報に基づく収骨地域の移動などにより、一定のスパンで適宜微調整し続ける必要がありますね。

そして何よりも長く遺骨収集を続ける場合には、私達は加齢による体力の低下は避けがたいものがあります。恐らく10年20年のスパンでそれを顕著に体感しておられる方々も多いでしょう。年齢を重ねるほど重いリュックサックを背負い続けるのはしんどいですし、転倒事故にも繋がりかねません。年老いたらリュックサックも軽くするなどの措置を講じなければなりません。という事で、“十年単位の長いスパンでは装備品は変化し続けるものである” と認識して遺骨収集に取り組む必要があるように思います。

結論としてその為には遺骨収集奉仕活動においては、自身の行動を注意深く観察する習慣を身に付け、装備品の諸問題点の抽出に努めましょう。という事で 「探索そして収骨作業中に、装備品の改善点が閃いたら、すぐにメモをとる」 これでバッチリですね。(^o^)

遺骨収集の装備品ご紹介その2

サイト管理人のリュックサックと、その中身を陳列してみました。リュックサックに詰め込まれた多くの荷物の中から、目的のものを速やかに取り出せるように、或いは雨や汗による湿気対策などにより、用途毎に袋詰めされパッケージ化されているのが見てとれますね。予備カメラと慰霊用品については、中身を保護するためにハードケースに収められていますが、他のものは全てビニール等のソフトケースに収納されています。

サイト管理人の性格故か、はたまた単独でジャングルに入る事の多いためか、主装備が故障した場合や、紛失してしまうなどのアクシデントを考慮し、予備としての装備品がかなり含まれていますので、遺骨収集奉仕活動に参加される一般的な方々よりも、多めに持ち歩いていると思います。しかしながら、荷物は多ければ多いほど良いという訳ではありません。登山と同じように、リュックサックに入れた装備が重ければ重いほど、結果として体力の消耗が増すのは明かですからね。

遺骨収集は前屈み作業がメインだと言っても過言ではありません。ですから女性や高齢者の皆さんは、移動中や前屈みの作業中に体力的な負担が増さないように、背負う重量のバランスにも配慮する必要があると思えます。という事で、遺骨収集奉仕活動における、御遺骨の発見率の向上、そして収骨作業の効率化などを最優先としつつも、安全性を考慮した上で、性別や年齢に応じて、必要最小限の荷物にするというのも一つの選択肢ですから、その点に十分留意して下さいませ。

ちなみに写真には作業服に収納しておく備品もこの写真に収めました。また右上にあるミニスコップとランタンについてですが、通常は駐車した車の中に置いてあります。この二品についてはかなり重いですから、御遺骨が発見され収骨作業が予定されている日に限り、リュックサックに入れる装備品としています。常に持ち歩くものではないのでお間違いなきよう御願いいたします。

それから昼食は少なめのおにぎり二個となっています。若い人は二個では少なすぎるかもしれませんね。いずれにしても、おにぎりは手早く食べられますし、ゴミの発生も少ないです。またお腹が満腹になると午後動き出すのが大変ですから、昼食はほどほどにが原則ですよ。また飲料水ですが、現在500ミリリットル飲料二本が写されていますが、気温20度を超えると予報されるなど暑くなりそうな日は、飲料水をもう一本追加し三本持参する事を強く推奨します。飴とチョコレートについては、私の標準装備品となっています。(笑)

★真似をする必要はありません。ご自身で納得のいく装備を確立して下さいませ。(^o^)

安全に作業を遂行するために:

坂道や岩場などで足が滑り、不意に転倒したり滑落した場合、またバランスが崩れ、後ろ向きに倒れ込んだ場合、あるいは斜面において上の方から不意に落石があった場合などなど、遺骨収集作業は多くの危険と隣り合わせです。重傷事故など最悪の事態を防ぐ手立てとして、ヘルメットとリュックサックを常に装着していれば、これら例示した危機的なアクシデントに対し、頭部と脊椎の損傷やダメージをかなりの確率で軽減してくれる可能性がありますから、参加者は休憩時を除き、移動中・作業中は必ずヘルメットとリュックサックを装着するようにしてくださいね。

特に強調したいのは、滑落や落石により背中を強く打撃して外傷に到ったものの、リュックサックを背負っていた為にクッションとなり、脊椎の損傷を免れたと推察される方がこれまでに2人居られます。こうした事例を鑑みて、リュックサックを背負って作業するのは、動きが鈍りますし、重くてしんどいというのは良く理解できるところですが、無事故で奉仕作業を追えるためにも、リュックサックは常に背負うように御願いします。

【遺骨収集における地域的特性による装備の違いについて】

遺骨収集奉仕活動は、現在沖縄県を始め、硫黄島やフィリピンなど東南アジアや旧ソ連のシベリアなどで実施されていますが、遺骨収集に際しての服装・装備は、それら収集地域の環境特性と密接に関連づけて準備する必要があると思われます。

例えば硫黄島であれば、洞窟内での収集作業が中心でしょうから、酸欠予防措置はとても大切だと思われますし、火山活動の影響があるという洞窟内の暑さ対策、掘り起こすことによるガス発生に警戒し、ヘッドライト等の投光器関連、土砂の搬出用具などが重要な装備品となるでしょう。

熱帯地方であるフィリピンなどでしたら、体験がないので断定は出来ませんが、真夏の時節を外したとしても、沖縄県の初夏から夏の頃に相当するかもしれない気象状況での作業となるはずです。可能性として、毒を持つヘビや蜂、サソリその他の昆虫などが、活発に活動する中での遺骨収集奉仕活動をする事となり、それらの攻撃から防護する装備を手厚く準備する必要があるかも知れません。

という事で、ここでご紹介している服装・装備品は、「金光教沖縄遺骨収集奉仕活動での、ハブなどの毒蛇が冬眠している12月から2月頃までの間に、喜屋武や摩文仁、具志頭などの沖縄県南部戦跡で遺骨収集をする場合において、参加者が必ず準備しなければならない必須の服装・装備品と、サイト管理者が、あれば便利であり、かつ作業効率をアップさせる装備として、持参する事を推奨する服装・装備品リスト」であると、ご理解くださいますよう御願い致します。

(追記)

沖縄に行くのに、多くの方が飛行機を使うと思いますが、長く沖縄遺骨収集奉仕活動に携わりたいという方は、この飛行機の席選びもこだわりたいですよ。どういう事かと申しますと、飛行機という高い目線から地表面を眺められるという絶好の機会だからです。飛行機が那覇空港に着陸するのに、本島南端を太平洋側から進入旋回して那覇空港への着陸態勢をとるというのが多いですよね。1月2月のこの時節は、多くがこのようなアプローチで着陸態勢に入りますから、本島南端直近で旋回する場合は、摩文仁一帯をどうぞご覧下さいと言わんばかりに、機体も右側に傾斜させ、正に地表面を俯瞰するのに絶好のロケーション態勢となるのです。

摩文仁一帯を、グーグルマップの航空写真や紙の地図を眺めているよという方も多いでしょうが、やはりビールと同じく、“生” にはかないません。(笑)

自分の目で直接見る地表面は、なにより距離感が把握できますし、土地が畑なのかジャングルなのか等、現時点での地表の活用状況が一目で俯瞰できます。沖縄遺骨収集は主にジャングルで展開されますからね。道路と緑豊かなジャングルの位置関係、そしてジャングルそのものの地形や傾斜度など、ポイントを絞り観察する事が可能です。これらは追加料金なしで観察できるのですからありがたいと言えるでしょう。何より折角飛行機に乗っているのですし、高い料金を支払っているのですから、元を取る努力を怠ってはなりません。(笑)

ただ、飛行機が那覇空港に着陸する際は、着陸する際に順番待ちという事があるのでしょうか、本島南端すれすれに旋回する場合もありますし、陸地からかなり離れた沖合を旋回する場合もあります。着陸の順番が遅いほど旋回航路が南側へと延びるという結果なのでしょう。
しかしながら飛行機の旋回する位置が、本島南端から大きく離れたにしても、那覇空港への直線的アプローチに乗ると、どの飛行機でも共通的といえるレベルで、本島南岸の一部および西岸をしっかり俯瞰できます。

地表面を俯瞰し観察する時間は、各フライト共にごくわずかな時間と言えますが、このわずかな俯瞰が10回20回と積み重なったらどうでしょうか?。わずかな時間ながらも、真剣に俯瞰し観察するという気持ちで毎回取り組めば、得られた映像はしっかりと潜在意識に記憶され、その地形の記憶が、後日の地表での地理把握と調査ルートの決定に、きっと大きなヒントを与えてくれるに違いないと確信しています。という事で、飛行機が那覇空港への着陸態勢に入ったら、ランディングまでのごくわずかな時間ですから、自分の両目で、窓の外に見える摩文仁、そして荒崎海岸、喜屋武岬、与座方面等々、現在遺骨収集奉仕活動が行われている範囲をくまなく俯瞰し観察するのを習慣としましょう。

地表を観察するに良い席といえば、勿論飛行機の前の方の右側窓際席ですよね。右側でも主翼の上なんてのは最悪ですよ。飛行機の後ろの方も悪くはないですが、いきなり風景が現れたりと、当然の事ながら前の席よりは見えにくいです。前の方の窓際席を確保するためには、早く予約を確定せねばなりません。誰よりも早く遺骨収集奉仕活動の日程を確定し、なるたけ早く航空券の手配をして下さいませ。

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